【コラム19】高級腕時計の資産性とは?不動産を基盤に考える富裕層の資産設計
資産規模が大きくなるほど、「何を買うか」よりも「資産をどう配置するか」が重要になります。
収益性だけでなく、流動性や分散、将来の引き継ぎやすさまで含めて考える必要が出てくるためです。
その中で、高級時計のような動産が資産の一部として検討されることがあります。
ただし、高級時計は収益を生む資産ではなく、節税効果についても誤解されている方も多いかもしれません。
そのため、本記事では高級時計の税務上の扱いを整理したうえで、資産設計における位置づけと、資産性を意識した選び方について解説します。
不動産を基盤にしたうえで高級時計を投資の選択肢として考える
不動産投資は、賃料収入という継続的なキャッシュフローを得ながら、長期的に資産を積み上げていける点に大きな強みがあります。
市場の短期的な変動に左右されにくく、時間をかけて資産を育てていくことができるため、資産設計の中心として位置づけられることが多いでしょう。
こうした基盤があるからこそ、次の段階として、性質の異なる資産を検討する余裕が生まれます。
高級時計は収益を生む資産ではありませんが、一定の条件を満たせば、将来的に市場価格で売却できる可能性を持ちながら使い続けられる点が特徴です。
こうした性質を踏まえると、まずは不動産によって安定した資産基盤を築き、そのうえで無理のない範囲で高級時計を投資の選択肢として取り入れるという考え方は、現実的で合理的な資産の持ち方の一つといえます。
高級時計を資産として保有するのが合理的な理由
他の資産とは異なる、高級時計の特性に触れながら詳しくお伝えします。
機動性に優れているため
資産にはそれぞれ異なる性質があります。
現金や金融資産は換金しやすい反面、市場環境の影響を受けやすい点に注意が必要です。
一方、不動産は短期的な価格変動が比較的小さく、安定した収益を見込みやすいことから、資産設計の基盤として位置づけられることが多くあります。
これに対して高級時計は、需要が継続しているモデルであれば比較的短期間で売却できる場合もあり、資産の持ち方に幅を持たせるために検討されることがあります。
資産でありながら満足感を伴うため
高級時計の特徴の一つは、資産でありながら日常的に身に着けることができ、所有を実感しやすい点にあります。
長い歴史や職人技術に支えられた時計は、単なる製品にとどまらず、文化的な背景を持つ工芸品としての側面もあり、会話のきっかけや価値観をさりげなく伝える要素となることもあります。
そのため、純粋な投資対象というよりも、日常の中で楽しみながら保有できる資産として選ばれるケースも多いです。
高級時計の節税に関する考え方とは?

高級時計と節税との関係について個人と法人のパターンに分けて整理をします。
個人保有の場合
個人が私的に購入する高級時計が、直接的な節税につながるケースは、一般的にはほとんどありません。
腕時計は通常、日常生活に使用する資産として「生活用動産」に該当すると考えられ、減価償却や経費計上の対象とはならないのが原則です。
また、売却時の取扱いについても、日常生活に通常必要な動産の譲渡益は非課税とされる考え方がある一方、投資目的で反復的に売買を行う場合や、事業として取り扱われる場合には課税関係が生じる可能性があります。
そのため、時計については節税目的というよりも、資産設計の中で無理なく保有でき、価値が大きく崩れにくいものを選ぶという考え方が現実的でしょう。
法人保有の場合
法人で保有する場合についても、業務との関連性が明確であることが前提となります。
広告や撮影などの用途がある場合を除き、単に保有するだけでは税務上のメリットを得ることは難しいと考えられています。
また、高額な資産ほど、業務での使用実態や保有目的がより厳密に確認される傾向がある点も注意が必要です。
そのため実務では、用途や管理方法を明確にし、曖昧な扱いを避けることが重視されています。
高級時計による理想の投資戦略について

理想の高級時計を選ぶための方法をお伝えします。
価値はどのように評価されるのかを知る
高級時計の価値判断については、主に二次流通市場での取引価格によります。
新品の定価だけでなく、中古市場やオークションでどの程度の価格で取引されているかが、実質的な評価の目安となります。
特に需要のあるモデルは、複数の国や地域で取引が行われ、流通価格やオークション結果が公開されることも多いため、市場価格を把握しやすいという特徴があります。
資産の落ちにくい腕時計を選び大切に使う
時計選びで重要なのは、「値上がりするか」ではなく「値が崩れにくいか」という視点でしょう。
具体的には、国際的な市場があること、需要が継続していること、中古市場で長期的な取引が行われていることなどが目安になります。
ただし、値上がりを前提とした純粋な投資対象として扱われる例は限定的で、実際には価値が大きく崩れにくいモデルを選びつつ、使う楽しみも享受するという考え方が一般的でしょう。
まとめ

資産設計では、どの資産が優れているかを単独で比べるのではなく、それぞれの役割を踏まえて組み合わせることが重要です。
高級時計は、価値が大きく崩れにくいモデルを選べば、長く保有しながら必要なときに高値で売却できる可能性がある資産です。
ただし、家賃収入や配当のように継続的な収益を生むものではないため、資産形成の中心になるものではありません。
そのため、実際の資産設計では、まず安定した収益を生む資産を土台にし、そのうえで価値を保ちやすい資産や、必要なときに換金しやすい資産を組み合わせるという考え方が現実的です。
株式会社リートでは、不動産の売買・仕入れから運用の設計までを一貫して行い、長期的に収益を生む資産の構築をサポートしています。
また、資産状況や目的に応じた現実的な不動産運用の考え方についても事例などを踏まえてご提案いたします。



